【世の女性たち】なぜあなたは「LINEを既読スルーする男」に惹かれてしまうのか?


(出典 sharetube.jp)

 あなたは、LINEなどのメッセージを「既読スルーをしてくる男」に惹かれてしまったことはないでしょうか。【図解】「既読スルーをしてくる男」に惹かれてしまう仕組み彼氏でも、恋人候補でも、最近仲が深まった相手でも、もしかしたら一夜を過ごしてしまった男でも。友人から「既読スルーする男なんてやめときなよ」と止められても、どうしても彼に対する気持ちが抑えきれずに、何度も連絡をしてしまった経験はないですか?初めに言っておきます。既読スルーをしてくる男に惹かれるのは、あなたの男運がないからでも、あなたの男の趣味が悪いからでもありません。あなたの心理が“ハック”されているからです。さて、詳しくお話しする前に、私の経歴を述べさせてください。私は催眠術師のjapanfieldです。催眠術師、というと怪訝な顔をされることが多いので、詳しくお話しします。私が催眠に出会ったのは今から8年ほど前のことです。当時の自分は催眠を一切信じていませんでしたが、とある催眠術師の方に催眠をかけられ自身で体感して「本当に存在するんだ……」と驚いたのがきっかけです。以来、大学院で認知心理学の手法を用いて催眠を研究したり、エンターテインメントとしてのショー催眠を行ったりしてきました。研究の被験者を含めれば、少なく見積もっても、通算1000人以上に催眠をかけてきたように思います。現在も本業のかたわら、パーティーの余興で催眠を披露したり、催眠に関連するセミナーを行ったりしています。催眠にかかった人には、椅子から立てなくなったり、水を甘く感じたり、自分の名前を忘れたりといった変化が起きます。はたから見ていると、トリックや魔法のように感じるかもしれません。しかし催眠の背景には長年培われてきた経験則に基づく“理論”があり、その実態も、認知科学や脳科学の手法を用いて、徐々に解明されつつあります。

そのような催眠の理論や、背景となっている心理学・認知科学の知識を学んでいく中で、日常生活の中にも応用できそうな知見が多くあることに気づいてきました。「既読スルー男」にまつわる悩みもそのひとつ。ここでは、そうした「身近にある」心理学の考え方を共有してみようと思います。

●あなたの心理をハックする「オペラント条件付け」

思い返してみてください。「既読スルーを常にしてくる男性」――つまり、どんなときでも連絡を無視してくる相手には、あなたは惹かれないはずです。実際には、長い間既読スルーをされたり、かと思えば即座に返事が返ってきたりといった状態になっているのではないでしょうか。

この既読スルー問題を説明するのに、ぴったりな認知科学の理論があります。それが「オペラント条件付け」です。

オペラント条件付けとは、「自発的に行った行動に対して報酬を与えることによって、その行動が強化されること」をいいます。

具体的に説明しましょう。ネズミを箱の中に入れます。箱の中にはレバーがあり、レバーを引くとエサがもらえる仕組みになっています。こうした環境があると、ネズミは自発的にレバーを引くように学習します。

オペラント条件付けを提唱したのは、スキナーという心理学者です。彼は、オペラント条件付けにおける“行動の強化”を、最も強めるような報酬の与え方とはどのようなものか――という実験を行っています。

みなさんも考えてみてください。箱の中のネズミに以下のようにエサを与えたとき、最もネズミが執着したのはどのパターンでしょうか。

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(1)一定回数行動を行えば必ず報酬がもらえる(n回レバーを引けばエサがもらえる)

(2)一定時間経てば必ず報酬がもらえる(n時間経てば必ずエサがもらえる)

(3)行動に応じて報酬がもらえるが、行動回数はランダム(5回レバーを引けばもらえるときもあれば、1回レバーを引いただけでもらえるときもある)

(4)経過時間に応じて報酬がもらえるが、時間はランダム(1分でエサをもらえるときもあれば、1時間経った時点でもらえるときもある)

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学習しやすいのは、(1)や(2)です。単純なルールなので、すぐに行動が強化されるのですね。ですが、ここで問題にしたいのは、「強化が消失しやすいのはどれか」です。

強化されてきた行動は、報酬が与えられなくなると消失します。つまり箱の中のネズミは、エサがもらえなくなればレバーを引くのをやめます(このように、強化された行動が消失することを「消去」といいます)。

実験の結果、(1)と(2)の場合、ネズミはエサがもらえなくなった時点ですぐに行動をやめました。一方(3)と(4)の場合、もはやエサがもらえなくなったとしても、長いことレバーを引き続けた、つまり、「消去」が起こりにくかったたのです。

※ちなみに専門用語では、(1)~(4)はそれぞれ、「固定比率スケジュール」「固定時隔スケジュール」「変動比率スケジュール」「変動時隔スケジュール」と言われています。

一見すると不思議な現象ですよね。ある行動をすれば絶対に報酬がもらえるほうが、よりつながりは強固に学習されそうです。しかし実際には、ランダムに与えられる方が、行動は消去されにくくなるのです。

どうしてそうなってしまうのか。これは、「ゲームのルールが変わったことがわかるか」が影響しています。

毎回レバーを引けばエサがもらえているとき、もらえなくなった瞬間に「ゲームのルールが変わった(もうレバーを引いてもエサはもらえない)」とすぐにわかります。そのため学習しやすい分、消去もされやすい。

しかし、報酬が得られるタイミングやルールがランダムな場合、ルールが変わったことに気付きにくい。だから行動を続けてしまうのです。

●「既読スルー」でかえって依存してしまう仕組み

これを恋愛の話に当てはめてみましょう。

「ネズミのレバー」(強化された行動)は、自分からメッセージを送ること。エサ(報酬)が「相手から返ってくるメッセージ」「好意の言葉」です。

既読スルーは、行動をしているのに報酬がもらえない状態です。その状態が続けば、行動をやめることができますが、たまに返事が返ってくる、時には即レスで戻ってくる、となれば、「変動比率」かつ「変動時隔」という、最も執着が強まる報酬の与え方になります。

この状態になってしまえば、メッセージを送り続けてしまうし、相手がもう返事をしない(ゲームのルールが変わった)としても、しばらく気付かずに送り続けてしまいます。

実際、精神が不安定な女性のサポートをしている団体から、話を聞いたことがあります。そこでは強く「サポートしている対象からメッセージをもらったら、“必ず”即レスする」というルールが設けられているそうです。そうすると、サポート対象者が支援者に依存しにくくなり、良好な関係が築けるのだとか。

気付いた方も多いでしょうが、これは恋愛に限った話ではありません。

たまに褒めてくるパワハラ上司から離れられない部下。

気分屋の親に振り回される子ども。

これらはみな、同じ心理の動きから依存“させられている”のです。

では、「既読スルーしてくる相手」に惹かれてしまう現象に、どう対抗すればいいのでしょうか。

はっきり言うと、人間心理をハックしているので、まずは「抗えない」と認識しておいたほうがいいです。唯一対抗できる手段は、そのような「ランダムな報酬」を発見したときに「そもそも人間の心はこういうものに依存しやすくできている」と思い出す習慣を持つことです。構造に惹かれている自分がいると認識したら、まずは相手から距離をとり、冷静になりましょう。

……とはいっても、それができないのもまた、人の心なんですけどね。

(ねとらぼGirlSide/japanfield)

●japanfieldプロフィール

幼少期からマジックに傾倒。東京大学大学院では、認知心理学からのアプローチで、催眠術を研究する。現在は出版社で働く傍ら、催眠術師としても活動している。

「既読スルーをしてくる男」に惹かれるのはなぜ?

(出典 news.nicovideo.jp)