【荒磯親方】出発進行! 旧横綱「稀勢の里」、2代目稀勢の里を作れ!


(出典 www.chunichi.co.jp)

稀勢の里、お疲れ様です。
最後1勝を見たかったけど、やむを得ないね。
威厳、品格、勝つことを求められる横綱の重責は重かった。

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◇日本出身横綱の十字架
号泣で始まった千代の富士、涙もろい朝青龍。引退記者会見で涙した横綱はこれまでもいたが、最初から終わり間際まで、これほど涙を拭う場面が多かった横綱は珍しい。大相撲初場所4日目の16日、17年間の土俵生活に別れを告げた横綱稀勢の里(32)。涙の意味を問われ、恩人たちの顔が浮かぶと答えたが、果たしてそれだけだったろうか。
あたかも番付に「日本出身横綱」という新たな地位ができたかのような2年間だった。記者会見で本人は日本出身横綱の重圧を「いい環境、あの声援の中で相撲を取るということが本当に力士として幸せでした」と答えたが、ファン、メディア、そして日本相撲協会、横綱審議委員会も「特別扱い」と批判されるほど復活を待ち続けた。それがむしろ大きな重圧だったことは想像に難くない。
休場続きの間の心境をこう語った。「このまま潔く引退するか、横綱に上げてもらって、ファンの人たちのために相撲を取るか、いつも稽古場で自問自答していました」。当然、引退すればまた日本出身横綱がいなくなることも強く意識しただろう。

そうした葛藤の連続だった横綱在位は、一瞬だけの光とその後の長い影を引きずったまま、12場所で終わった。時代の巡り合わせで、長い間途絶えていた日本出身横綱の任に当たった不器用な青年は、結果的にその任に応え切れなかった。
昇進も異例だった。自称「稀勢の里を横綱にする会の会長」北の富士勝昭さんから、「もう会長を辞めようか」と聞いたのは2016年10月だった。前場所は10勝止まり。冗談めかしてはいたが、同じように多くの関係者が横綱昇進を諦めかけていた。

直後の九州場所で3横綱を倒して12勝したものの、前頭3人に取りこぼして優勝の鶴竜とは2差。当時の守屋秀繁横綱審議委員長や相撲協会審判部は、翌場所で優勝しても横綱昇進には否定的だった。
次の17年初場所も、初日から連勝を続ける間、「綱」の文字は新聞紙面になかった。ところが、12日目あたりから突如、昇進ムードが生まれる。14日目に初優勝が決まると、千秋楽の白鵬戦が残っているのに、守屋委員長は「千秋楽は重要視しなくてもいい」とまで言い切り、あっという間に19年ぶりの日本出身横綱誕生を迎えた。
かつて北尾(のち双羽黒)が、優勝経験のないまま横綱になり、不祥事で引退している。その後、綱とりのハードルが高くなり、旭富士(現伊勢ケ浜親方)や貴乃花があおりを食うなど、相撲協会には苦い経験として残っていた。
しかし、17年初場所はともに31歳の日馬富士と鶴竜が途中休場。白鵬も全盛期を過ぎた。日本出身どころか横綱が途絶えそうな危機感が漂った時に、稀勢の里が待望の賜杯を抱いた。
◇一瞬の光と長い影
甘い昇進との批判もある中、新横綱の場所で劇的な優勝を果たし、稀勢の里人気は絶頂を迎える。相撲協会も横審もほっとしたが、「光」はこの一瞬だけだった。
左の腕と胸に負った重傷が、長い影をつくる。翌夏場所は10日目まで出場して悪化させた。それでもここまでは、土俵上のけがと裏目に出た責任感をとがめる声はなかった。
だがその後、判断ミスを指摘されるような休場を続け、ついに8場所連続休場。次第に風当たりが強まっていった。進退を懸けた昨年秋場所、10勝して引退の危機を切り抜け、左腕も強引にこじ入れられるくらいに回復した。ところが人気再燃も束の間、真の復活どころか九州場所4連敗、そして今場所の引退劇と突き進んでしまった。
左腕と胸のけがは稀勢の里の運命を大きく左右した。涙で声が詰まった時間は、質問がけがに及んだ時が一番長い。「徐々に徐々に良くなってきましたが、自分の相撲が取れなくなって、けがをする前の自分に戻ることはできなかった」

ただ、年齢から見ても大なり小なり、いずれ故障は起きていただろう。そこで物を言うのは相撲の幅だが、生来の不器用。若い頃から勝ち方の少ない力士だった。左四つ十分といっても、右上手が遅くて肘が開くため、ぎこちない。投げもない。それ以前に、左四つになるすべも少なかった。
器用でない横綱は過去にもいる。その人たちは持っている武器が他を圧倒するほど強力だった。古くは柏戸。先代師匠(元横綱隆の里)も現役時代は武骨だったが、鍛え上げた筋力で千代の富士キラーとも呼ばれた。残念ながら稀勢の里は、そこまでの武器が身につかず、「引き出し」も広がらないまま、新入幕から大関まで7年余、大関に5年余。その間に日本出身横綱不在の期間が長引き、優勝で先を越した豪栄道や琴奨菊も横綱昇進を果たせなかったところで賜杯を抱き、「白羽の矢」が立った。皮肉であり悲劇でもあった。

◇ファンが心痛める引き際
そして最近は、左腕より下半身のもろさの方が深刻だといわれた。期待の裏返しから「あんな四股なら1000回踏める」と歯がゆそうに鍛え方を疑問視する親方もいた。
元横綱大乃国の芝田山親方も、心を鬼にして厳しい目で見守ってきた。稀勢の里がモンゴル勢に、貴乃花がハワイ勢に立ち向かったように、千代の富士ら両国勢を向こうに回してきた大乃国。同じ二所ノ関一門でもあり、稀勢の里の言うところの「絶対逃げない」姿勢で戦ってきた立場だが、その親方が「あの稽古では…。俺があれだけやって、もう無理だと28歳で辞めたんだから」と語ったこともある。
見えないところでしている努力も、胸を合わせた力士仲間や、経験者の親方衆には分かる。ここへきて、力をつけた後輩たちに弱点や衰えを見透かされた姿は、日本出身横綱の期待に応え続けられるものではなかった。

生前の先代師匠から「横綱になったら違う景色が見える」と言われていた稀勢の里。この日「やっぱり大関と横綱は全く違うものでした。ですが、まだまだ先代の見ていた景色は見られなかったです」と語っている。
「地位が人をつくる」という。かつて北の湖が綱とり場所の千秋楽で輪島に本割、決定戦と連敗しながら相撲協会は横綱に昇進させ、昭和の大横綱になった。プロの慧眼だった。一方で北尾のように裏目に出た例もある。ともあれ、この2人は若かった。30歳を過ぎ、一進一退を繰り返していた稀勢の里に、長らく途絶えていた日本出身横綱の重荷を負わせたことと、ファンが心を痛める引き際になってしまったことは、無関係ではないだろう。

これからまた日本出身横綱が欲しいなら、何をどうすればいいのか。今のような横審が必要なのか。稀勢の里改め荒磯親方が、この「稀(まれ)」な経験を協会員として指導者としてどう生かしていくか。そして何よりも、横綱とはどうあるべきなのか。この2年間、相撲界は稀勢の里人気で潤ったが、観客が減る心配よりもっと深い問い掛けを残して、72人目の横綱は土俵を降りた。

(出典:スポーツ総合(時事通信))
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ツイッター反応

ハチマキくろだ
@hatimaki_kuroda

Q.なぜ稀勢の里は横綱になってパッとしなかったのかA.異世界で受けた傷が。あと異世界で料理に目覚めた

2019-01-16 13:43:06

(出典 @hatimaki_kuroda)

aikoku
@miiko_chuuko

稀勢の里がこうなったのは、日馬富士の猛突進による大怪我が原因。モンゴル人横綱同士であればあのような相撲はしていなかっただろう。貴乃花親方が去り、稀勢の里が引退。 日本相撲協会はいよいよモンゴル勢に乗っ取られるのか…。

2019-01-16 13:43:06

(出典 @miiko_chuuko)

yukorin
@yukoriiin_sumo

稀勢の里はご贔屓だった朝三好さんと同期だったなー。さみしくて明日からもう土俵にいないんだって思うと実感わかなくて。とりあえずは明日からのお仕事また頑張ろ。

2019-01-16 13:43:04

(出典 @yukoriiin_sumo)

中の人@某看護大学
@qIVV45nbmPMxPjF

稀勢の里も引退だどこかの某看護大学の無能学長もお引き取りください

2019-01-16 13:43:02

(出典 @qIVV45nbmPMxPjF)

ted9aoki23
@k101105

@yadb_edit 稀勢の里は平成に置いてきました。

2019-01-16 13:42:56

(出典 @k101105)

みかしく
@shiiiiibu

稀勢の里〜。明日から土俵に上がらないなんで考えられないよ〜。

2019-01-16 13:42:56

(出典 @shiiiiibu)

カズ岸野
@t_seimei

@yamane_chika 稀勢の里関、自分と同郷茨城へ。いばらきへいっぱい感動いだい(偉大)なりいただき(頂)に立ちいくた(幾多)の夢を久々、茨城出身の横綱になられて凄く嬉しかったし!思いの即興短歌。

2019-01-16 13:42:55

(出典 @t_seimei)